応用情報技術者試験過去問を解いてみた R6年度 春期 問63

応用情報技術者試験

はじめに

今回も、応用情報技術者試験の過去問を解いていきます。

今回は、SOA(Service Oriented Architecture) に関する問題です。

SOAは、システムの機能を「サービス」という単位に分けて設計し、それらを組み合わせてシステムを構築する考え方です。

この分野では、

  • ERP
  • Fit & Gap分析
  • BPM
  • BPR
  • SOA

など、似たような用語が多く登場します。

そのため、単語だけを暗記するよりも、

「その手法は何を目的としているのか」

という視点で整理しておくことが重要です。


問題

問63 SOAの説明はどれか。

選択肢

選択肢内容
会計、人事、製造、購買、在庫管理、販売などの企業の業務プロセスを一元管理することによって、業務の効率化や経営資源の全体最適を図る手法
企業の業務プロセス、システム化要求などのニーズと、ソフトウェアパッケージの機能性がどれだけ適合し、どれだけかい離しているかを分析する手法
業務プロセスの問題点を洗い出して、目標設定、実行、チェック、修正行動のマネジメントサイクルを適用し、継続的な改善を図る手法
利用者の視点から業務システムの機能を幾つかの独立した部品に分けることによって、業務プロセスとの対応付けや他ソフトウェアとの連携を容易にする手法

解答

正解:


解説

SOAは、

Service Oriented Architecture

の略です。

日本語では、

サービス指向アーキテクチャ

と呼ばれます。

SOAでは、システム全体を一つの大きなプログラムとして考えるのではなく、

  • 注文
  • 在庫確認
  • 顧客管理
  • 決済

などの機能を、それぞれ独立した「サービス」として扱います。

そして、必要に応じてこれらのサービスを組み合わせて、一つの業務システムを構築します。

イメージすると、次のようになります。

┌───────────────┐
│   業務プロセス        │
└───────┬───────┘
        │
        ▼
┌────────┐
│ 注文サービス │
└────────┘
        │
        ▼
┌────────┐
│ 在庫サービス │
└────────┘
        │
        ▼
┌────────┐
│ 決済サービス │
└────────┘

それぞれの機能を独立させておくことで、他のシステムから利用したり、必要な部分だけ変更したりしやすくなります。

SOAの重要なポイントは次のとおりです。

ポイント内容
サービス化業務機能をサービス単位に分割する
独立性サービス同士の依存関係を小さくする
連携他のシステムやサービスと連携しやすくする
再利用同じサービスを複数の業務で利用しやすい
柔軟性業務変更に合わせて構成を変更しやすい

したがって、

利用者の視点から業務システムの機能を幾つかの独立した部品に分ける

という選択肢エがSOAに該当します。


各選択肢を確認する

ア:ERP

アは、ERP(Enterprise Resource Planning) に関する説明です。

ERPは、企業の会計、人事、販売、購買、生産、在庫などの情報を統合的に管理し、経営資源の全体最適を図る考え方です。

ERPを実現するシステムは、

  • ERPシステム
  • ERPパッケージ
  • 統合基幹業務システム

などと呼ばれます。

SOAが「システムをどのような構造にするか」という考え方なのに対し、ERPは「企業全体の経営資源や基幹業務を統合管理する」という考え方です。

したがって、アは不正解です。


イ:Fit & Gap分析

イは、Fit & Gap分析の説明です。

Fit & Gap分析では、

企業側の要求と、導入予定のパッケージソフトの機能を比較します。

例えば、あるERPパッケージを導入するとします。

会社が必要としている機能
        │
        ▼
パッケージの標準機能
        │
   ┌────┴────┐
   ▼              ▼
 Fit             Gap
適合する        足りない

「Fit」は要求に適合している部分、

「Gap」は要求と機能が合っていない部分です。

その差を確認して、

  • 標準機能をそのまま使う
  • 業務を変更する
  • システムを追加開発する

などを検討します。

したがって、イもSOAの説明ではありません。


ウ:BPM

ウは、BPM(Business Process Management) の説明です。

ここは特に注意したいポイントです。

BPMは、業務プロセスを継続的に分析・改善していく考え方です。

例えば、

業務を分析
   ↓
改善案を設計
   ↓
実行
   ↓
監視・評価
   ↓
さらに改善

というサイクルを繰り返します。

問題文にある、

  • 目標設定
  • 実行
  • チェック
  • 修正行動

という流れからも、PDCAのような継続的改善をイメージできます。

ただし、

BPMとBPRは同じものではありません。

違いは次のように整理できます。

用語考え方
BPM業務プロセスを継続的に改善する
BPR業務プロセスを抜本的に見直して再構築する

そのため、ウはBPRではなく、BPMの説明と考えるのが適切です。


エ:SOA

エが正解です。

SOAでは、業務システムの機能を独立したサービスとして分けます。

例えば、

ECサイト
   │
   ├─ 顧客管理サービス
   ├─ 在庫確認サービス
   ├─ 注文サービス
   └─ 決済サービス

という構成を考えることができます。

それぞれを独立させることで、必要に応じてサービスを組み合わせたり、別のシステムから利用したりしやすくなります。

これがSOAの基本的な考え方です。


問題の用語解説

SOA

SOAは、

Service Oriented Architecture

の略です。

日本語では、

サービス指向アーキテクチャ

と呼ばれます。

システムの機能を「サービス」として独立させ、それらを組み合わせてシステムを構築します。

SOAを覚えるときは、

機能をサービスに分けて連携する

と覚えておくと分かりやすいです。


ERP

ERPは、

Enterprise Resource Planning

の略です。

企業の、

  • モノ
  • お金
  • 情報

といった経営資源を統合的に管理し、企業全体を最適化する考え方です。

試験では、

会計・人事・販売・購買・在庫・生産

といった言葉が並んでいたら、ERPを疑うとよいでしょう。


Fit & Gap分析

Fit & Gap分析は、

企業の要求とパッケージソフトの機能を比較する手法

です。

  • Fit:要求と機能が合っている
  • Gap:要求と機能に差がある

と考えます。

特にERPなどのパッケージ導入時に使われます。


BPM

BPMは、

Business Process Management

の略です。

業務プロセスを可視化・分析しながら、継続的に改善していく考え方です。

「継続的改善」という言葉が重要です。


BPR

BPRは、

Business Process Reengineering

の略です。

既存の業務プロセスを前提とせず、

業務そのものを抜本的に見直す

考え方です。

BPMと似ていますが、

BPM
→ 少しずつ継続的に改善する

BPR
→ 業務そのものを大きく作り直す

というイメージで区別すると分かりやすいです。


SOAとERPの違い

SOAとERPは混同しやすいですが、そもそも考えている対象が異なります。

項目SOAERP
主な考え方機能をサービスとして分割・連携する経営資源や基幹業務を統合管理する
主な対象システムアーキテクチャ企業の基幹業務
主な目的変更・連携・再利用をしやすくする業務効率化と経営資源の全体最適
キーワードサービス、連携、独立性会計、人事、販売、在庫、生産

ここは、

SOA=システムの作り方

ERP=企業業務の統合

くらいのイメージから入ると理解しやすいです。


体系的位置づけ

SOAは、応用情報技術者試験では主にストラテジ系のシステム戦略・システム企画などと関連するテーマです。

また、システム連携や外部資源の利用などを考える際にも登場します。

周辺には次のような用語があります。

システム戦略・業務改善
        │
        ├─ ERP
        ├─ BPM
        ├─ BPR
        ├─ Fit & Gap分析
        │
        └─ SOA
             │
             ├─ サービス
             ├─ システム連携
             ├─ 再利用
             └─ 柔軟なシステム構築

単語を一つずつ独立して覚えるのではなく、

「企業の業務を改善する話なのか」

「パッケージを導入する話なのか」

「システムの構造をどうするかという話なのか」

という視点で整理すると、選択肢を判断しやすくなります。


今回の問題の重要ポイント

今回の4つの選択肢は、それぞれ違う用語を表しています。

用語見分けるキーワード
ERP会計・人事・販売・在庫などを一元管理
Fit & Gap分析要求とパッケージ機能を比較
BPM業務プロセスを継続的に改善
SOA機能をサービスに分けて連携

特に注意したいのが、BPMとBPRの違いです。

「継続的に改善する」

と書かれていれば、BPMを考えます。

一方、

「業務プロセスを抜本的に再設計する」

という説明なら、BPRです。

そしてSOAでは、

サービス・独立・連携

というキーワードを押さえておきましょう。


まとめ

今回の問題の正解は、

です。

SOAとは、

業務システムの機能を独立したサービスとして分け、それらを連携させてシステムを構築する考え方

です。

今回の選択肢は、次のように整理できます。

ア → ERP
イ → Fit & Gap分析
ウ → BPM
エ → SOA

応用情報技術者試験では、このように似た用語が一つの問題にまとめて出題されることがあります。

用語名を丸暗記するのではなく、

「何を対象として、何をするための考え方なのか」

までセットで理解しておくと、選択肢問題にも強くなります。


参考情報

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