日立がAIエージェントを開発したらしい。
熟練ノウハウを形式知化し、品質保証業務を効率化するAIエージェントだそうだ。
最初は、AIエージェントと聞くと、何かすごいAIを導入すれば、それだけで業務が一気に楽になるようなイメージを持っていた。
しかし、いろいろ見ているうちに、少し考えが変わってきた。
たぶん、AIエージェントは導入するだけではダメなのだと思う。
特に今回のような品質保証業務では、会社ごとに事情が違う。
過去にどんなトラブルがあったのか。
その時、どう対応したのか。
どの製品で起きたのか。
どんな原因だったのか。
どの対策が有効だったのか。
そういう情報は会社ごとに全然違うはずである。
つまり、一般的なAIがいくら賢くても、自社の過去事例までは知らない。
品質保証の現場で本当に欲しいのは、一般論ではなく、
「うちの会社では過去に似たようなケースがあったか」
という情報なのだと思う。
そう考えると、AIエージェントを活用するには、まずAIが参照できる知識のデータベースを作る必要がありそうである。
過去の対応履歴。
トラブル報告書。
マニュアル。
熟練者が判断した時のメモ。
問い合わせ対応の記録。
そういったものを整理して、AIが見られる形にする。
ここがかなり重要なのだと思う。
AIエージェントというと、どうしてもAI本体の性能に目が行く。
どのモデルを使っているのか。
どれくらい賢いのか。
何ができるのか。
もちろんそれも大事である。
ただ、それ以上に大事なのは、AIに何を見せるかではないかと思った。
何も資料を渡さずに、
「うちの品質保証を助けてください」
と言っても、たぶん難しい。
それは、新入社員に何も教えずに、
「ベテランみたいに対応して」
と言っているようなものである。
なかなか無茶である。
でも、過去事例やノウハウを整理し、それをAIが参照できるようにして、使いながら改善していけば、少しずつ自社向けのAIエージェントに育っていくのかもしれない。
つまり、AIエージェントは買って終わりではない。
使いながら育てるものなのだと思う。
今回の日立のプレスリリースを読んで、その仮説を強く抱いた。
AIエージェントの本体は、AIモデルだけではない。
自社の知識。
過去の記録。
現場のノウハウ。
それらをAIが使える形に整理すること。
そこまで含めて、初めて業務で使えるAIエージェントになるのだと思う。
AIを導入すれば何でも解決、というわけではない。
むしろ、AIに何を教えるか。
AIに何を見せるか。
AIをどう育てるか。
そこがこれから重要になるのかもしれない。
参考情報
PR TIMES:日立、熟練ノウハウを形式知化し、品質保証業務を大幅に効率化するAIエージェントをHMAX Industryとして提供開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000068.000141666.html

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