『新版 結局「仕組み」を作った人が勝っている』を読んだのは、かなり前のことである。
正直に言うと、当時の私は、この本から何かをうまく学び取ることができなかった。
本の中では、さまざまな分野で「仕組み」を作り、継続的に利益を得ている人たちが紹介されている。
しかし、私にとっては少し遠い世界の話に見えた。
「なるほど、こういう分野でも仕組みを作れるのか」
そう思うことはできても、
「では、自分なら何ができるのか」
というところまでは落とし込めなかったのである。
それでも、この本は不思議と印象に残っている。
理由は、タイトルにもある「仕組みを作る側に回る」という考え方そのものに共感しているからである。
一度仕組みを作れば、自分が毎回同じ作業をしなくても、価値を提供し続けることができる。その仕組みを誰かに提供し、役に立った見返りとして利益を受け取る。
仕組みから利益を得るためには、完成した仕組みを使う側ではなく、仕組みを作って提供する側に立つ必要がある。
この考え方には、今でも強く惹かれる。
もちろん、本の中で紹介されている方法を、そのまま自分が実践できるかと言われると難しい。少なくとも私は、この本を読んですぐに行動へ移せたわけではない。
そのため、この本を「読めばすぐに稼げる方法が分かる本」として紹介するつもりはない。
むしろ、
世の中には、自分が働き続けなくても価値を生み出す方法がある
という視点を得るための本だと思っている。
私自身は、この本の内容を十分に活かしきれていない。それでも、書かれているテーマには価値があると感じている。
人によっては、本の中にある事例から具体的なヒントを見つけられるかもしれない。これから何かを仕組み化したい人や、自分の時間を切り売りする働き方以外にも目を向けてみたい人には、面白く読める一冊ではないだろうか。
自分にはまだ早かった本が、別の誰かには強く刺さることもある。
『結局「仕組み」を作った人が勝っている』は、そんな可能性を感じさせる本である。

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