応用情報技術者試験の勉強をしていると、「限界利益」という言葉が出てくる。
計算式としては、
限界利益 = 売上高 − 変動費
である。
式そのものは難しくない。だが、改めて考えてみると「限界利益」という名前がよく分からない。
何が限界なのだろうか。
「もう限界」の限界ではない
最初、「限界利益」と聞いて、私は「会社が事業を維持するために必要なギリギリの利益」のようなものを想像していた。
赤字になるか黒字になるか。その限界となる利益。
しかし、それはどちらかというと「損益分岐点」のイメージであり、限界利益の「限界」はそういう意味ではない。
限界利益は英語で marginal profit / contribution margin などと表現されるが、経済学で使われる「marginal」には、「端」「境界」、そこから転じて「もう1単位増えたときの追加分」というニュアンスがある。
つまり、「もう我慢の限界だ!」の限界ではない。
たとえば商品を1個売っている状態から2個売る。10個から11個売る。
そのように、今の状態からもう1単位増やしたとき、どれだけ数字が変化するのか、を意味するのが「限界」という言葉なのである。
限界利益は「固定費と利益に回せるお金」
たとえば、1個1,000円の商品があり、1個売るたびに600円の変動費がかかるとする。
この時、もう1個売れば、
- 売上は1,000円増える
- 変動費は600円増える
- 差し引き400円残る
この400円が、固定費の回収や、その先の利益に使えるお金になる。
この考え方、つまり
「1個追加で売ったときに、固定費の回収や利益に回せるお金がどれだけ増えるか」
の方が、単に「売上高−変動費」と覚えるより分かりやすいと感じた。
また、限界利益は、別の見方をすると、
限界利益 = 固定費 + 利益
とも考えられる。
利益は、
利益 = 売上高 − 変動費 − 固定費
なので、式を並べ替えれば、
売上高 − 変動費 = 固定費 + 利益
⇔
限界利益 = 固定費 + 利益
となるからである。
つまり限界利益とは、売上の中から変動費を支払ったあとに残り、固定費を回収し、それを超えた部分が利益になるお金なのである。
なぜ、わざわざ「限界利益」を考えるのか
ここまで考えて、最後に疑問に残ったのが、「なぜ売上から変動費を引いただけの数字に、わざわざ「限界利益」という名前をつけているのか」という点である。
これは少し考えたのちに納得できた。
その理由は、「限界利益が分かれば、固定費を回収するために何個売ればよいのかを考えられるから」である。
先ほどの例で、1個あたりの限界利益が400円、固定費が10万円なら、
10万円 ÷ 400円 = 250個
となる。
つまり250個売れば、限界利益の合計が固定費10万円に到達する。ここが損益分岐点となる。
251個目から得られる限界利益は、固定費を回収した後なので、基本的には利益を増やす方向に働く。
まとめ
今回は「限界利益」という言葉について考えてみた。
最初は「限界」という言葉に引っ張られて、何かギリギリの利益なのだと思っていた。
しかし実際には、
「もう1単位売ったら、固定費の回収や利益に使えるお金はいくら増えるのか」
を見るための考え方だった。
ここまで考えることができたので、ただ公式を暗記するよりも、限界利益という言葉について、理解を深めることができた気がする。


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