応用情報技術者試験過去問を解いてみた R6年度 春期 問31

応用情報技術者試験

はじめに

今回も、応用情報技術者試験の過去問を解いていきます。

今回のテーマは、IPv4アドレスの種類です。

IPアドレスには、インターネットで利用されるグローバルアドレスだけでなく、

  • プライベートアドレス
  • マルチキャストアドレス
  • ブロードキャストアドレス
  • ループバックアドレス
  • リンクローカルアドレス

など、さまざまな種類があります。

今回の問題では、与えられたIPアドレスが

「グローバル・プライベート・ブロードキャスト・マルチキャスト」のどれなのか

を判断します。

IPアドレスの代表的な範囲を理解しているかがポイントです。


問題

IPアドレス 208.77.188.166 は,どのアドレスに該当するか。

選択肢内容
グローバルアドレス
プライベートアドレス
ブロードキャストアドレス
マルチキャストアドレス

解答

ア:グローバルアドレス


解説

今回のIPアドレスは、

208.77.188.166

です。

それぞれの選択肢と照らし合わせながら確認してみましょう。

プライベートアドレスではない

IPv4のプライベートアドレスとして使用できる範囲は、次の3つです。

範囲CIDR表記
10.0.0.0 ~ 10.255.255.25510.0.0.0/8
172.16.0.0 ~ 172.31.255.255172.16.0.0/12
192.168.0.0 ~ 192.168.255.255192.168.0.0/16

今回の

208.77.188.166

は、これらの範囲には含まれていません。

したがって、プライベートアドレスではありません。


マルチキャストアドレスではない

IPv4のマルチキャストアドレスは、

224.0.0.0 ~ 239.255.255.255

つまり、

224.0.0.0/4

の範囲です。

今回のIPアドレスは、

208.77.188.166

なので、この範囲にも含まれません。

したがって、マルチキャストアドレスでもありません。


ブロードキャストアドレスではない

ブロードキャストとは、同一ネットワーク内の複数の端末に一斉にデータを送るための仕組みです。

代表的なブロードキャストアドレスの一つが、

255.255.255.255

です。

また、各IPv4サブネットでは、一般にホスト部をすべて1にしたアドレスがブロードキャストアドレスになります。

例えば、

192.168.1.0/24

というネットワークなら、

192.168.1.255

がブロードキャストアドレスです。

図にすると、

192.168.1.0/24

ネットワーク部        ホスト部
192 . 168 . 1       . 00000000
                        ↓
                 ホスト部を全て1
                        ↓
192 . 168 . 1       . 11111111

                  192.168.1.255

今回の 208.77.188.166 は、問題で想定されている通常のユニキャストアドレスであり、ブロードキャストアドレスには該当しません。


したがってグローバルアドレス

ここまで確認すると、

208.77.188.166

は、

  • プライベートアドレスではない
  • マルチキャストアドレスではない
  • ブロードキャストアドレスではない

ことが分かります。

今回の選択肢の中では、

グローバルアドレス

が正解です。

したがって、

正解は「ア」

となります。


問題の用語解説

IPアドレスとは

IPアドレスとは、IPネットワーク上で通信する機器やインタフェースを識別するために使用されるアドレスです。

IPv4アドレスは32bitで構成されています。

例えば、

192.168.1.1

というIPv4アドレスを2進数にすると、

11000000.10101000.00000001.00000001

となります。

1つの数字のまとまりが8bitなので、

8bit × 4
= 32bit

です。

32bitでは、

2^32
= 4,294,967,296

通りの組合せを表現できます。

つまり、IPv4には理論上約43億通りのアドレスがあります。

ただし、そのすべてが一般的なグローバルアドレスとして利用できるわけではなく、プライベートアドレスやマルチキャスト、ループバックなどの特殊用途にも割り当てられています。


グローバルアドレスとは

グローバルアドレスは、インターネット上で通信するために使用されるIPアドレスです。

基本的にはインターネット上で一意になるよう管理されています。

家庭でインターネットを利用する場合などは、ISP(インターネットサービスプロバイダ)などを通じてグローバルIPアドレスが割り当てられます。

図にすると、次のようなイメージです。

家庭内ネットワーク

PC             スマートフォン
│                     │
└──────┬───────┘
           │
        ルーター
           │
           │ グローバルIPアドレス
           ▼
      インターネット
           │
           ▼
       Webサーバー

プライベートアドレスとは

プライベートアドレスは、家庭や企業などのプライベートネットワーク内で使用するIPv4アドレスです。

代表例として、

192.168.1.10

などがあります。

同じプライベートIPアドレスを別々の家庭で使用していても問題ありません。

例えば、

Aさんの家

PC
192.168.1.10


Bさんの家

PC
192.168.1.10

という状態も可能です。

なぜなら、それぞれ別のプライベートネットワークだからです。

プライベートアドレスは、そのままグローバルインターネット上でルーティングされることを目的としていません。

家庭などからインターネットへ接続する場合は、多くの場合、ルーターがNATやNAPTを利用して通信を中継します。

PC
192.168.1.10
      │
      ▼
   ルーター
      │
   NAT/NAPT
      │
      ▼
グローバルIP
      │
      ▼
インターネット

CIDR表記とは

プライベートアドレスの説明に、

10.0.0.0/8

や、

192.168.0.0/16

という表記が出てきました。

この「/8」や「/16」は、CIDR表記と呼ばれます。

「/」の後ろの数字は、

IPアドレス32bitのうち、先頭から何bitをネットワーク部分として扱うか

を表しています。

例えば、

192.168.0.0/16

なら、

32bit

ネットワーク部      ホスト部
←----16bit----→←----16bit----→

192 . 168      . x . x

となります。

残りの16bitを変化させることができるため、

2^16 = 65,536

個のアドレスがこの範囲に含まれます。


マルチキャストとは

マルチキャストは、

特定のグループに参加している複数の端末へデータを送信する方式

です。

イメージとしては、

                ┌→ PC A
送信元 ──────┼→ PC B
                └→ PC C

   特定グループだけに送信

となります。

IPv4では、

224.0.0.0
~
239.255.255.255

がマルチキャスト用のアドレス空間です。


ブロードキャストとは

ブロードキャストは、同一ネットワーク内の端末へ一斉にデータを送信する方式です。

                 ┌→ PC A
送信元 ───────┼→ PC B
                 ├→ PC C
                  └→ PC D

       ネットワーク内全体

「特定のグループ」に送信するマルチキャストとは異なり、対象となるネットワーク内全体へ送信する点が特徴です。


IPv4アドレスには他にも種類がある

今回の選択肢には登場しませんが、IPv4には他にも特殊用途のアドレスがあります。

代表的なものを整理すると次のようになります。

種類代表的な範囲・例主な用途
プライベート10.0.0.0/8など組織内・家庭内ネットワーク
ループバック127.0.0.0/8自分自身との通信
リンクローカル169.254.0.0/16同一リンク内の通信
マルチキャスト224.0.0.0/4グループ通信
限定ブロードキャスト255.255.255.255同一ネットワークへの一斉送信

そのため、

プライベートではない
+
マルチキャストではない
=
必ずグローバル

というわけではありません。

IPv4には、ほかにも特殊用途のアドレスが存在する

ことは覚えておきましょう。


体系的位置づけ

今回の内容を学習体系として整理すると、次のように位置づけられます。

テクノロジ系
 └ ネットワーク
     └ TCP/IP
         └ IP
             └ IPv4アドレス
                 ├ グローバルアドレス
                 ├ プライベートアドレス
                 ├ マルチキャストアドレス
                 ├ ブロードキャストアドレス
                 └ その他の特殊用途アドレス

IPアドレスは、サブネットマスク、CIDR、ルーティング、NATなどを理解するうえでの基礎になります。


今回の問題の重要ポイント

① プライベートアドレスの3範囲を覚える

試験対策として特に重要なのが、次の3つです。

10.0.0.0/8

172.16.0.0/12

192.168.0.0/16

数字だけで覚えるなら、

10

172.16~31

192.168

と覚えておくと判定しやすくなります。


② マルチキャストは224~239

IPv4マルチキャストの範囲は、

224.0.0.0 ~ 239.255.255.255

です。

先頭の数字を見るだけでも、多くの問題ではかなり絞り込めます。

今回のIPアドレスは、

208.77.188.166

なので、208から始まっています。

したがって、マルチキャストではありません。


③ 「それ以外は全部グローバル」と覚えない

ここは注意したいポイントです。

IPv4には、

127.x.x.x

のループバックアドレスや、

169.254.x.x

のリンクローカルアドレスなど、さまざまな特殊用途アドレスがあります。

そのため、

プライベートでもマルチキャストでもなければ必ずグローバル

とは限りません。

今回の問題では、208.77.188.166が選択肢にある特殊用途のいずれにも該当せず、グローバルアドレスに該当すると判断します。


まとめ

今回の問題は、

208.77.188.166

がどの種類のIPアドレスなのかを判断する問題でした。

正解は、

ア:グローバルアドレス

です。

今回押さえておきたいポイントを整理すると、次のようになります。

ポイント内容
IPv432bit、理論上約43億通り
プライベート10/8、172.16/12、192.168/16
マルチキャスト224.0.0.0/4
ブロードキャスト代表的にはホスト部が全て1
その他ループバックなど特殊用途も存在

特に重要なのは、プライベートアドレスの3つの範囲です。

10.x.x.x

172.16.x.x ~ 172.31.x.x

192.168.x.x

この3つは覚えておくと、IPアドレスを判定する問題で役立ちます。

一方で、

「これらに当てはまらなければ全部グローバル」

と単純化しないことも大切です。

IPアドレスにはさまざまな特殊用途の範囲が存在するため、まず代表的な範囲を理解し、そのうえで問題の選択肢と照らし合わせて判断していきましょう。


参考情報

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