はじめに
今回も、応用情報技術者試験の過去問を解いていきます。
今回のテーマは「オブジェクトストレージ」。クラウド時代には頻出の重要分野です。
ストレージの種類(ブロック・ファイル・オブジェクト)の違いを理解しているかが問われています。
問題
オブジェクトストレージの記述として,最も適切なものはどれか。
- ア:更新頻度の少ない非構造型データの格納に適しており,大容量で拡張性のあるストレージ空間を仮想的に実現することができる。
- イ:高速のストレージ専用ネットワークを介して,複数のサーバからストレージを共有することによって,高速にデータを格納することができる。
- ウ:サーバごとに割り当てられた専用ストレージであり,容量が不足したときにはストレージを追加することができる。
- エ:複数のストレージを組み合わせることによって,仮想的な1台のストレージとして運用することができる。
解答
ア
解説
この問題は「ストレージの種類の違い」を正しく理解しているかがポイントです。
各選択肢の整理
| 選択肢 | 内容 | 該当技術 | 正誤 |
|---|---|---|---|
| ア | 非構造データ・大容量・高い拡張性 | オブジェクトストレージ | ✅ 正解 |
| イ | ストレージ専用ネットワークで共有 | SAN | ❌ |
| ウ | サーバ専用のストレージ | DAS | ❌ |
| エ | 複数ストレージを仮想化 | ストレージ仮想化 | ❌ |
図:ストレージの種類の違い
ストレージの分類イメージ
ストレージ
├─ DAS(Direct Attached Storage)
│ └─ サーバ直結・シンプル構成
├─ SAN(Storage Area Network)
│ └─ 高速ネットワークで共有
└─ オブジェクトストレージ
├─ 非構造データ向き(画像・動画)
├─ 大容量・高い拡張性
└─ クラウドで利用(例:S3)
ストレージ
├─ DAS(Direct Attached Storage)
│ └─ サーバ直結・シンプル構成
├─ SAN(Storage Area Network)
│ └─ 高速ネットワークで共有
└─ オブジェクトストレージ
├─ 非構造データ向き(画像・動画)
├─ 大容量・高い拡張性
└─ クラウドで利用(例:S3)
問題の用語解説
オブジェクトストレージ
- データを「オブジェクト単位」で管理
- メタデータ付きで保存
- URLでアクセス可能
- 代表例:S3(Amazon)
👉 特徴
- 非構造データ向き(画像・動画・ログ)
- 容量無制限に近い
- スケーラブル
SAN(Storage Area Network)
- 専用ネットワークでストレージを共有
- 高速・高性能
👉 主に企業の基幹システム向け
DAS(Direct Attached Storage)
- サーバに直接接続
- シンプルだが拡張性が低い
ストレージ仮想化
- 複数ストレージを1つに見せる技術
- 運用効率向上
体系的位置づけ
この問題は以下の分野に属します:
テクノロジ系
└ コンピュータシステム
└ システム構成
└ ストレージ技術
├ DAS
├ SAN
├ NAS
└ オブジェクトストレージ ← 今回
今回の問題の重要ポイント
① ストレージの種類を区別できるか
- DAS:直結
- SAN:高速共有
- オブジェクト:クラウド・非構造
👉 「用途」で覚えるのがコツ
② オブジェクトストレージの特徴を押さえる
- 非構造データ
- 大容量
- 拡張性(スケーラビリティ)
👉 クラウド=オブジェクトストレージと覚える
③ 試験でのひっかけポイント
今回の問題は「似ている説明」が多いです。
特に:
- イ(SAN)とア(オブジェクト)は混同しやすい
- エ(仮想化)は一見それっぽい
👉 キーワードで見抜くことが重要
小まとめ
今回のポイントを整理します。
- 正解は「ア」
- オブジェクトストレージは
👉 非構造データ × 大容量 × 高い拡張性 - ストレージ技術は用途で覚えると理解しやすい
👉 クラウド時代では最重要分野の一つ
補足:そもそもストレージとは何か?
結論
👉 データを保存しておく場所のこと
もっと具体的に
コンピュータの中では、こんな流れになっています。
処理する(CPU)
↓
一時的に置く(メモリ)
↓
長期保存する(ストレージ)
👉 ストレージは
「データを消えない形で保管する場所」です
身近な例で考える
■ メモリとストレージの違い
| 種類 | 例 | 特徴 |
|---|---|---|
| メモリ | 作業机 | 電源を切ると消える |
| ストレージ | 本棚・倉庫 | 電源を切っても残る |
👉 ストレージ=「長期保存用の倉庫」
ストレージには種類がある
ここが今回の問題の本質です👇
ストレージ
├─ DAS(直結型)
├─ SAN(ネットワーク共有型)
└─ オブジェクトストレージ(クラウド型)
なぜ種類が分かれているのか?
👉 用途が違うからです
① DAS(Direct Attached Storage)
- サーバに直接つながっている
- シンプル
👉 例
- PCの内蔵HDD
② SAN(Storage Area Network)
- ネットワーク経由で共有
- 高速
👉 例
- 企業のデータベース
③ オブジェクトストレージ(今回の主役)
オブジェクトストレージとは何か?
結論
👉 大量データを柔軟に保存するためのストレージ
特徴
- 画像・動画・ログなどの非構造データ向き
- 容量をほぼ無限に増やせる
- クラウドで使われる
なぜ必要なのか?
昔:
- データ量が少ない
- サーバごとに管理できた
今:
- データ爆増(動画・SNS・IoT)
- サーバでは管理しきれない
👉 だから
スケールできる仕組み(=オブジェクトストレージ)が必要
今回の問題とのつながり
今回の正解「ア」はこうでした👇
更新頻度の少ない非構造型データ
+
大容量・拡張性
👉 これは完全に
オブジェクトストレージの特徴そのもの
よくあるつまずきポイント
■ 「違いがピンとこない」
👉 こう覚えると一発です
| 種類 | イメージ |
|---|---|
| DAS | 自分の机の引き出し |
| SAN | 会社の共有棚 |
| オブジェクト | 巨大倉庫 |
ストレージの進化(時系列で解説)
① DAS(最初の形)
時代:~1990年代何が起きていたか
- サーバごとにデータを持つ
- とにかくシンプル
問題点
- 他のサーバと共有できない
- データがバラバラ
👉 限界:管理が大変
② NAS
時代:1990年代後半~進化ポイント
👉 「ネットワークで共有しよう」
特徴
- ファイル単位で共有
- LANで接続
問題点
- ネットワークが遅い
- 高速処理には向かない
👉 限界:性能不足
③ SAN
時代:2000年代~進化ポイント
👉 「専用ネットワークで高速化」
特徴
- ブロック単位
- 高速アクセス
- DBなどに最適
問題点
- 高い
- 複雑
👉 限界:コストと運用
④ オブジェクトストレージ(クラウド時代)
時代:2010年代~現在進化ポイント
👉 「無限にスケールしたい」
背景
- SNS
- 動画
- ビッグデータ
特徴
- 非構造データ向き
- URLでアクセス
- 容量ほぼ無限
👉 現代の主流
図:進化の流れ
ストレージの進化(時系列)
DAS(直結)
↓ 共有したい
NAS(ファイル共有)
↓ 高速化したい
SAN(専用ネットワーク)
↓ スケールしたい
オブジェクトストレージ(クラウド)
DAS(直結)
↓ 共有したい
NAS(ファイル共有)
↓ 高速化したい
SAN(専用ネットワーク)
↓ スケールしたい
オブジェクトストレージ(クラウド)
- IPA 独立法人 情報処理推進機構 応用情報技術者試験 過去問 https://www.ipa.go.jp/shiken/mondai-kaiotu/index.html

コメント