応用情報技術者試験過去問を解いてみた R6年度 春期 問13

はじめに

今回も、応用情報技術者試験の過去問を解いていきます。
今回のテーマは「オブジェクトストレージ」。クラウド時代には頻出の重要分野です。

ストレージの種類(ブロック・ファイル・オブジェクト)の違いを理解しているかが問われています。


問題

オブジェクトストレージの記述として,最も適切なものはどれか。

  • ア:更新頻度の少ない非構造型データの格納に適しており,大容量で拡張性のあるストレージ空間を仮想的に実現することができる。
  • イ:高速のストレージ専用ネットワークを介して,複数のサーバからストレージを共有することによって,高速にデータを格納することができる。
  • ウ:サーバごとに割り当てられた専用ストレージであり,容量が不足したときにはストレージを追加することができる。
  • エ:複数のストレージを組み合わせることによって,仮想的な1台のストレージとして運用することができる。

解答


解説

この問題は「ストレージの種類の違い」を正しく理解しているかがポイントです。

各選択肢の整理

選択肢内容該当技術正誤
非構造データ・大容量・高い拡張性オブジェクトストレージ✅ 正解
ストレージ専用ネットワークで共有SAN
サーバ専用のストレージDAS
複数ストレージを仮想化ストレージ仮想化

図:ストレージの種類の違い

ストレージの分類イメージ

ストレージ
├─ DAS(Direct Attached Storage)
│ └─ サーバ直結・シンプル構成
├─ SAN(Storage Area Network)
│ └─ 高速ネットワークで共有
└─ オブジェクトストレージ
  ├─ 非構造データ向き(画像・動画)
  ├─ 大容量・高い拡張性
  └─ クラウドで利用(例:S3)

問題の用語解説

オブジェクトストレージ

  • データを「オブジェクト単位」で管理
  • メタデータ付きで保存
  • URLでアクセス可能
  • 代表例:S3(Amazon)

👉 特徴

  • 非構造データ向き(画像・動画・ログ)
  • 容量無制限に近い
  • スケーラブル

SAN(Storage Area Network)

  • 専用ネットワークでストレージを共有
  • 高速・高性能

👉 主に企業の基幹システム向け


DAS(Direct Attached Storage)

  • サーバに直接接続
  • シンプルだが拡張性が低い

ストレージ仮想化

  • 複数ストレージを1つに見せる技術
  • 運用効率向上

体系的位置づけ

この問題は以下の分野に属します:

テクノロジ系
└ コンピュータシステム
└ システム構成
└ ストレージ技術
├ DAS
├ SAN
├ NAS
└ オブジェクトストレージ ← 今回

今回の問題の重要ポイント

① ストレージの種類を区別できるか

  • DAS:直結
  • SAN:高速共有
  • オブジェクト:クラウド・非構造

👉 「用途」で覚えるのがコツ


② オブジェクトストレージの特徴を押さえる

  • 非構造データ
  • 大容量
  • 拡張性(スケーラビリティ)

👉 クラウド=オブジェクトストレージと覚える


③ 試験でのひっかけポイント

今回の問題は「似ている説明」が多いです。

特に:

  • イ(SAN)とア(オブジェクト)は混同しやすい
  • エ(仮想化)は一見それっぽい

👉 キーワードで見抜くことが重要


小まとめ

今回のポイントを整理します。

  • 正解は「ア」
  • オブジェクトストレージは
    👉 非構造データ × 大容量 × 高い拡張性
  • ストレージ技術は用途で覚えると理解しやすい

👉 クラウド時代では最重要分野の一つ


補足:そもそもストレージとは何か?

結論

👉 データを保存しておく場所のこと


もっと具体的に

コンピュータの中では、こんな流れになっています。

処理する(CPU)
 ↓
一時的に置く(メモリ)
 ↓
長期保存する(ストレージ)

👉 ストレージは
「データを消えない形で保管する場所」です


身近な例で考える

■ メモリとストレージの違い

種類特徴
メモリ作業机電源を切ると消える
ストレージ本棚・倉庫電源を切っても残る

👉 ストレージ=「長期保存用の倉庫」


ストレージには種類がある

ここが今回の問題の本質です👇

ストレージ
├─ DAS(直結型)
├─ SAN(ネットワーク共有型)
└─ オブジェクトストレージ(クラウド型)

なぜ種類が分かれているのか?

👉 用途が違うからです


① DAS(Direct Attached Storage)
  • サーバに直接つながっている
  • シンプル

👉 例

  • PCの内蔵HDD

② SAN(Storage Area Network)
  • ネットワーク経由で共有
  • 高速

👉 例

  • 企業のデータベース

③ オブジェクトストレージ(今回の主役)
オブジェクトストレージとは何か?
結論

👉 大量データを柔軟に保存するためのストレージ


特徴
  • 画像・動画・ログなどの非構造データ向き
  • 容量をほぼ無限に増やせる
  • クラウドで使われる

なぜ必要なのか?

昔:

  • データ量が少ない
  • サーバごとに管理できた

今:

  • データ爆増(動画・SNS・IoT)
  • サーバでは管理しきれない

👉 だから
スケールできる仕組み(=オブジェクトストレージ)が必要


今回の問題とのつながり

今回の正解「ア」はこうでした👇

更新頻度の少ない非構造型データ

大容量・拡張性

👉 これは完全に
オブジェクトストレージの特徴そのもの


よくあるつまずきポイント


■ 「違いがピンとこない」

👉 こう覚えると一発です

種類イメージ
DAS自分の机の引き出し
SAN会社の共有棚
オブジェクト巨大倉庫

ストレージの進化(時系列で解説)

① DAS(最初の形)

時代:~1990年代
何が起きていたか
  • サーバごとにデータを持つ
  • とにかくシンプル
問題点
  • 他のサーバと共有できない
  • データがバラバラ

👉 限界:管理が大変


② NAS

時代:1990年代後半~
進化ポイント

👉 「ネットワークで共有しよう」

特徴
  • ファイル単位で共有
  • LANで接続
問題点
  • ネットワークが遅い
  • 高速処理には向かない

👉 限界:性能不足


③ SAN

時代:2000年代~
進化ポイント

👉 「専用ネットワークで高速化」

特徴
  • ブロック単位
  • 高速アクセス
  • DBなどに最適
問題点
  • 高い
  • 複雑

👉 限界:コストと運用


④ オブジェクトストレージ(クラウド時代)

時代:2010年代~現在
進化ポイント

👉 「無限にスケールしたい」

背景
  • SNS
  • 動画
  • ビッグデータ
特徴
  • 非構造データ向き
  • URLでアクセス
  • 容量ほぼ無限

👉 現代の主流


図:進化の流れ
ストレージの進化(時系列)

DAS(直結)
↓ 共有したい
NAS(ファイル共有)
↓ 高速化したい
SAN(専用ネットワーク)
↓ スケールしたい
オブジェクトストレージ(クラウド)

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