はじめに
今回も、応用情報技術者試験の過去問を解いていきます。
今回のテーマは、フィージビリティスタディ(Feasibility Study)です。
新規事業や海外進出、情報システム導入などを進める前に、
- 本当に実現できるのか
- 採算が取れるのか
- 技術的に可能なのか
といった点を事前に確認する考え方です。
試験では、デルファイ法、ブレーンストーミング、プロダクトライフサイクルなどと並べて出題されるため、それぞれの目的を区別できるようにしておくことが重要です。
問題
問69 フィージビリティスタディの説明はどれか。
選択肢
| 選択肢 | 内容 |
|---|---|
| ア | 企業が新規事業立ち上げや海外進出する際の検証、公共事業の採算性検証、情報システムの導入手段の検証など、実現性を調査・検証する投資前評価のこと |
| イ | 技術革新、社会変動などに関する未来予測によく用いられ、専門家グループなどがもつ直観的意見や経験的判断を、反復型アンケートを使って組織的に集約・洗練して収束すること |
| ウ | 集団(小グループ)によるアイディア発想法の一つで、会議参加メンバー各自が自由奔放にアイディアを出し合い、互いの発想の異質さを利用して、さらに多数のアイディアを生み出そうという集団思考法・発想法のこと |
| エ | 商品が市場に投入されてから、次第に売れなくなり姿を消すまでのプロセスを、導入期、成長期、成熟(市場飽和)期、衰退期の4段階で表現して、その市場における製品の寿命を検討すること |
解答
正解:ア
解説
フィージビリティスタディは、日本語では一般に実現可能性調査と呼ばれます。
「この計画、面白そうだから始めよう」
で突っ走るのではなく、
本当にできるのか?
を本格的な投資や実施の前に確認するための調査です。
たとえば、新しい情報システムを導入するとします。
その場合、
- 必要な技術で実現できるか
- 導入費用に対して効果が見込めるか
- 現場で実際に運用できるか
- 法律や制度上の問題はないか
- 予定した期間で実現できるか
といった観点を、対象に応じて検討します。
その結果をもとに、
実施するかどうか
だけでなく、
どの方法で実施するのがよいか
まで判断することがあります。
つまり、フィージビリティスタディは、
計画を実行する前に、「現実的に成立するのか」を調べる
ためのものです。
問題の用語解説
フィージビリティスタディ
Feasibility Studyの「feasible」は、実現可能なという意味です。
したがって、
Feasibility Study = 実現可能性を調査すること
と覚えると分かりやすいです。
調査する内容は案件によって異なりますが、代表的には次のような観点があります。
| 観点 | 確認する内容の例 |
|---|---|
| 技術面 | 必要な技術で実現できるか |
| 経済面 | 費用に見合う効果が期待できるか |
| 運用面 | 実際の業務で運用できるか |
| 法制度面 | 法律や規制上の問題がないか |
| スケジュール面 | 必要な時期までに実現できるか |
ここで注意したいのは、これらが必ず固定された5項目というわけではないことです。
対象となる事業やシステムによって、確認する観点は変わります。
他の選択肢の解説
イ:デルファイ法
イはデルファイ法の説明です。
デルファイ法は、複数の専門家にアンケートを繰り返し実施し、その結果をフィードバックしながら意見を収束させていく方法です。
主に、
- 技術の将来予測
- 市場の将来予測
- 社会変化の予測
などに利用されます。
ポイントは、
専門家+反復アンケート+将来予測
です。
ウ:ブレーンストーミング
ウはブレーンストーミングの説明です。
複数人で自由にアイディアを出し合い、発想を広げるための手法です。
試験対策では、次の4原則も一緒に覚えておくと便利です。
- 批判厳禁
- 自由奔放
- 質より量
- 結合・改善
つまり、
アイディアを出している途中で「それ無理じゃない?」と潰さない
ということです。
まずは量を出し、その後で整理します。
エ:プロダクトライフサイクル
エはプロダクトライフサイクル(PLC)の説明です。
製品が市場に登場してから衰退するまでを、一般に次の4段階で表します。
導入期
↓
成長期
↓
成熟期
↓
衰退期
製品が今どの段階にあるのかを把握し、マーケティング戦略などを考える際に利用されます。
図で整理する
新規事業・システムなどを計画
↓
実現できるのか?
↓
技術・費用・運用などを調査
↓
実施可否や実施方法を判断
フィージビリティスタディで重要なのは、
「実施前に調べる」
という点です。
体系的位置づけ
学習上の位置づけとして整理すると、次のようになります。
ストラテジ系
└─ 経営戦略
└─ 新規事業・投資などの評価
└─ フィージビリティスタディ
応用情報技術者試験では、技術そのものだけではなく、
「その技術や事業を実際に導入する価値があるのか」
という経営的な視点も問われます。
フィージビリティスタディは、まさにその代表的な考え方です。
今回の問題の重要ポイント
ポイント1:フィージビリティ=実現可能性
まずは英単語から覚えます。
feasible = 実現可能な
したがって、
Feasibility Study = 実現可能性調査
です。
ポイント2:「実施前」が重要
フィージビリティスタディは、事業やシステムを本格的に進める前に行います。
試験問題で、
- 実現性を調査する
- 投資前に評価する
- 導入可能性を検討する
といった表現が出てきたら、フィージビリティスタディを疑います。
ポイント3:似た用語は目的で見分ける
| 用語 | 何をするものか |
|---|---|
| フィージビリティスタディ | 実現できるか調べる |
| デルファイ法 | 専門家の意見から将来を予測する |
| ブレーンストーミング | アイディアをたくさん出す |
| プロダクトライフサイクル | 製品の市場での一生を見る |
名前を丸暗記するより、
「何のために使うのか」
で覚えた方が、選択肢問題に強くなります。
まとめ
今回の問題では、フィージビリティスタディについて問われました。
フィージビリティスタディとは、
事業やシステムなどを実施する前に、その実現可能性を調査・評価すること
です。
今回の問題では、
実現性を調査・検証する投資前評価
という表現が大きなヒントになります。
あわせて、
- デルファイ法
- ブレーンストーミング
- プロダクトライフサイクル
の違いも整理しておきましょう。
最後に一言でまとめるなら、
フィージビリティスタディ=「それ、本当にできるの?」を始める前に調べること
です。

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