応用情報技術者試験過去問を解いてみた R6年度 春期 問23

はじめに

今回も、応用情報技術者試験の過去問を解いていきます。

今回の問題は、データセンターで利用される直流給電(DC給電)の特徴について問う問題です。

データセンターでは電力消費が非常に大きいため、
電力効率をいかに高めるかが重要なテーマになっています。

その中で注目されているのが 直流給電方式(DC Power Supply) です。

では問題を見ていきましょう。


問題

データセンターなどで採用されているサーバ,ネットワーク機器に対する直流給電の利点として,適切なものはどれか。

選択肢内容
交流から直流への変換,直流から交流への変換で生じる電力損失を低減できる。
受電設備からCPUなどのLSIまで,同じ電圧のまま給電できる。
停電の危険がないので,電源バックアップ用のバッテリを不要にできる。
トランスを用いて容易に昇圧,降圧ができる。

解答


解説

この問題のポイントは

「交流給電」と「直流給電」の違いを理解することです。

一般的なデータセンターの電力の流れ

通常の交流給電では、電力は次のように変換されます。

発電所
↓ (交流)
受電設備

UPS(交流→直流)

インバータ(直流→交流)

サーバ電源(交流→直流)

CPU・電子回路

つまり実際には

交流 → 直流 → 交流 → 直流

という変換が繰り返されています。

この変換のたびに 電力損失(変換ロス) が発生します。


直流給電の場合

直流給電では次のようになります。

発電所

受電設備

直流電源装置

サーバ

CPU

つまり

変換回数が減る

ため、電力損失が少なくなります。

これが 直流給電の最大のメリットです。


各選択肢の解説

選択肢判定理由
電力変換回数が減るため電力損失が減る
×CPUは数Vレベルなので電圧変換は必要
×停電対策としてバッテリは必要
×トランスは交流専用

イが誤りの理由

CPUなどのLSIは

1V前後

で動作します。

しかしデータセンターの給電電圧は

  • 48V
  • 380V DC

などです。

そのため

途中で電圧変換(DC-DCコンバータ)が必要

になります。


ウが誤りの理由

直流給電でも

停電は普通に発生します。

そのためデータセンターでは

  • UPS
  • バッテリー
  • 自家発電

などのバックアップが必要です。


エが誤りの理由

トランスは

交流でしか使えません。

理由は電磁誘導です。

電磁誘導は

磁束が変化するときのみ電圧が生じる

ため、

  • 交流 → 磁束が変化する → 変圧できる
  • 直流 → 磁束が変化しない → 変圧できない

という違いがあります。


問題の用語解説

直流給電(DC給電)

サーバや通信機器に

直流電力を直接供給する方式

主に通信設備やデータセンターで使用されます。

代表的な電圧

  • 48V(通信設備)
  • 380V DC(データセンター)

UPS(Uninterruptible Power Supply)

停電時でも電力を供給する装置。

構成

商用電源

整流器

バッテリ

インバータ

サーバ

インバータ

直流 → 交流

に変換する装置。


コンバータ

交流 → 直流

または

直流 → 別電圧の直流

に変換する装置。


体系的位置づけ

この問題はシラバスの次の分野に該当します。

コンピュータシステム
└ ハードウェア
└ 電源装置
└ 直流給電

関連知識

  • UPS
  • インバータ
  • コンバータ
  • 電力効率
  • データセンター省エネ

今回の問題の重要ポイント

今回の試験ポイントは次の3つです。

電力変換にはロスがある

AC → DC → AC → DC

変換が多いほどロスが増える。


直流給電は変換回数を減らす

AC → DC

だけになる。


まとめ

今回の問題のポイントを整理します。

ポイント内容
直流給電のメリット電力変換回数を減らせる
目的電力効率の向上
トランス交流専用
CPU電圧数Vレベルなので電圧変換が必要


参考情報

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