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はじめに:毎日使うのに、仕組みは知らない
キッチンスケールや郵便はかりなど、
私たちの身の回りには「電子はかり」がたくさんあります。
ボタンを押せば、すぐに重さが数字で表示される。
でも――
どうして重さがわかるのか?
中で何が起きているのか?
と聞かれると、意外と答えられない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、
電子はかりが重さを測る仕組みを説明します。
ざっくりとした、ラフな説明なので、その点はご容赦を。
※注意
物理の世界では、「重さ」と「質量」は別の概念として定義されています。
ですが、厳密に区別しようとすると、表現が分かりにくくなるリスクがあります。
なので、特別なことわりがない限り、今回はどちらも同じような意味で取り扱います。
ご了承ください。
一言で説明すると:重さは「電気信号」に変換されている
まず結論から。
電子はかりは、重さを電気信号(電圧変化量)に変換して、測定しています。
はい、終わり!
…これだけだと、あまりにもざっくりとした説明ですね。
自覚はあります。
なので、もう少し掘り下げた説明をします。
少し掘り下げて説明:
重さ → ひずみ → 抵抗値→電圧という流れ
電子はかりの中では、次のようなステップをふんで、重さが計測されます。
- 物を載せる
- 金属部品(ロードセル)がわずかにひずむ
- ひずみによって金属部品の抵抗値が変わる
- 抵抗値の変化量を電気信号(電圧の変化量)として読み取る
- 逆算して、質量として計算・表示する
つまり、
重さ → ひずみ → 抵抗値 → 電圧(電気信号) → 質量の算出
という変換をしているわけです。
ここまで読めば、どういう流れで重さが量れているのか、なんとなくイメージできるかと。
じゃあ次は、これらの流れをどのような部品が担っているのかを紹介します。
まずは、「ひずみ」を生み出し、読み取る装置である、ロードセルです。
重さを検出する心臓部:ロードセルとは?
ロードセルの中身はシンプル
ロードセルは、主に次の2つで構成されています。
- 起歪体(きわいたい)
→ 力が加わると、わずかに変形する金属部品 - ひずみゲージ
→ その変形(ひずみ)を電気的に検出するセンサー
物を載せると、起歪体がほんのわずかに曲がり、
その変化をひずみゲージが感知します。
なぜ「ひずみ」で重さがわかるのか?
ここが一番大事なポイントです。
金属は、力を加えると
一定のルールで変形します。
- 軽い力 → ちょっとだけひずむ
- 重い力 → より大きくひずむ
この関係がとても安定しているため、
ひずみの量 = 加えられた力の大きさ
と考えることができます。
※ただし、一定以上の強い力で金属を引っ張ると、上記の関係は崩れてしまいます。
では、このひずみを電気信号にどう変換するのでしょうか?
ひずみをどうやって電気信号にする?
ホイートストンブリッジ
ここで登場するのが、
高校物理でもおなじみの ホイートストンブリッジ です。
ホイートストンブリッジは、
- 4つの抵抗を組み合わせた回路
- 抵抗のわずかな変化を
電圧の変化として取り出せる
という特徴があります。
電子はかりでの使い方
高校物理ではホイートストンブリッジは、
「未知の抵抗値を求める回路」
として出てきますが、
電子はかりでは少し使い方が違います。
- 抵抗値はすべて既知
- ひずみによる抵抗のズレだけを見る
- ブリッジ中央の電圧変化を測定する
という使い方です。
これによって、電圧変化量が測定できます。
ちなみに、ひずみによる抵抗のズレ(抵抗値の変化量)は、とても微小で直接測定することは困難です。
テスターとかで調べようとしても、接触抵抗や温度によるノイズが大きく、まともに測れないからです。
なので、抵抗値を直接測定するのではなく、4つの抵抗値の変化を合算した、「全体の抵抗値の変化量」をブリッジ中央の電圧変化量から調べる、という方法をとります。
実は…自分も完全に理解できていないホイートストンブリッジ
ホイートストンブリッジですが、私も深堀っていくとよくわかっていないところがあります。
納得していること・理解できていること
- ホイートストンブリッジを使うと、
ノイズなどの影響を抑えて 高精度に測定できる らしい、という点は納得している。 - ホイートストンブリッジは、
絶対値そのものではなく、差分(変化量)に注目して測定する方法 である、という理解はある。 - 差分(変化量)に注目して測定することで、温度の影響などのノイズを打ち消すことができ、
結果として 高精度な測定ができる、という説明の流れ自体は理解している。
❓ 納得できていない・よくわかっていないこと
- 「ホイートストンブリッジを使うと高精度になるのか」
その 理由の核心 がまだ腑に落ちていない。
正直にげろってしまいましたが、ここは勉強しようと思います。
理解出来たら、このブログで補足しようと思います。
小まとめ
話は脱線してしまいましたが、
ここまでの説明で、重さが電圧変化量として換算されている流れはつかめたかと思います。
最後に、計算して重さを算出するステップです。
最後は計算で「重さ」を出す
得られた電圧変化量から、計算をすることによって重さを計算します。
ここでは計算式は割愛しますが、最終的に
電圧 →ひずみ→ 力(重さ) → 質量
と計算し、最終的に重さが算出されます。
以上が、重さから電圧変化量がわかり、最後に重さを計算して出す、という流れの説明です。
もう一度、電子はかりのメカニズムを振り返る
改めて、電子はかりのメカニズムをおさらいしましょう。
- 物を載せる
- 金属部品(ロードセル)がわずかにひずむ
- ひずみによって金属部品の抵抗値が変わる
- 抵抗値の変化量を電気信号(電圧の変化量)として読み取る
- 電圧の変化量を用いて計算を行うことで、載せた物の重さがわかり、デジタル表示される。
5つのステップを経ることで、重さがわかるようになっているのですね。
いやー、面白い
まとめ:電子はかりは「変換のかたまり」
電子はかりの仕組みを一言でまとめると、
「重さという情報を変換しまくって得られる、電圧変化量から逆算している」
ということになります。
普段何気なく使っている道具は、
意外と複雑にできているんですね。


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