ゴールドマンサックスがバーガーキングを買収するらしい、
思わず「え、あの金融界の“キング・オブ・ウォール街”が、今度はハンバーガーにも手を伸ばすのか?」と記事を二度見した次第である。ゴールドマンサックスと聞けば、私の頭には投資銀行の重厚な会議室や、分厚い資料を前に眉間にシワを寄せるアナリストの姿が浮かぶ。そこにバーガー煙がモクモクと立ちこめる厨房が結びつくのは、なかなかに難しい。金融とファストフードの組み合わせは、いわば「寿司にチョコソースをかける」くらい意外である。
それはさておき、今回の買収の狙いは、日本で2位のモスバーガーを追い越すことらしい。バーガーキングの炎がついにモスの大地を焼き尽くさんと燃え盛る、そんな構図である。しかしモスバーガーといえば、野菜シャキシャキ、ソースたっぷり、注文を受けてから作る“丁寧さ”が売りである。一方バーガーキングは「直火焼きのワイルドさ」を掲げるタイプで、いわば“家庭的で優しい優等生”と“森で育った野生児”がぶつかるような図式である。
とはいえ、ゴールドマンサックスがバーガーチェーンを買収するというのはやはりインパクトが大きい。私はふと、「金融のプロがハンバーガーの世界に入ったら、パティの薄利多売もExcelで最適化されてしまうのだろうか」などと余計な妄想をしてしまう。レタスの一枚一枚がセルに入力され、仕入れ価格の動向がグラフ化されていたらどうしよう。もしそんな店舗運営が行われたら、厨房のスタッフが「今日はレタスのボラティリティが高ぇ!」などと言い出す未来すら見える。
日本への影響はどれほどか…と考えると、アメリカ発のファストフードチェーンで成功した例も多いが、失敗して撤退していった企業も山ほどある。外資が日本市場に挑むというのは、いわば“慣れない下駄を履いて全力疾走するようなもの”である。足に合えば早く走れるが、合わなければ盛大に転ぶ。バーガーキングがどちらになるかは、これからの戦略次第である。
そういえば、最近USJを立て直した森岡毅さんの本を読んだ。あのUSJですら、かつては外資によってぐちゃぐちゃにされた歴史があるという。そう考えると、外資に買われるというのは両刃の剣である。莫大な投資と世界的ノウハウが入る反面、現場と文化がかき混ぜられ、結果として迷走する可能性もある。
バーガーキングにその未来が待っているのか、それともゴールドマンサックスの金色の手腕で“真のキング”へと生まれ変わるのか。とにもかくにも、今後の動向を注視したいところである。日本のバーガー戦国時代に、また一つ大きな火種が投げ込まれたのだから。
参考情報
日経MJ(流通新聞):バーガーキング、国内2位に挑む ゴールドマン買収、売上高3倍へ

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