新聞記事がゴールドカードに関するものだったということで、今回は、私がゴールドカードを使うに至った経緯を紹介したいと思う。
おそらく誰の人生にも、一度は「キラキラしたカードを財布に入れてみたい」という淡い欲望が芽生える瞬間があるはずである。だが現実は厳しく、「年会費」という名の壁が立ちはだかる。つまり、夢を叶えるには、毎年見えない手数料という名の関所を通らねばならないのだ。
私もかつては、普通のクレジットカードで満足していた。支払いも問題なくできるし、ポイントも貯まるし、特に不満はなかった。「ゴールドカードなんて、見栄っ張りが持つものだろう」とすら思っていた。だが、あの金色の輝きを見るたびに、胸の奥で何かがチリチリと燃えていたのも事実である。スーパーマリオがスターを取った時のような、あの無敵感。あれを財布の中に忍ばせてみたい――そんな好奇心が、静かにくすぶっていた。
転機は、出張の多い月に訪れた。ホテル代、交通費、立て替え精算…と一時的に出費が膨らみ、とうとう「ご利用上限額です」と無情なエラー表示に出会ったのである。まるでATMに「お前にはまだ早い」と説教されたような気分だった。仕方なく一時的な増額申請をして事なきを得たが、「これは近いうちに再び起こるな」という予感がした。ちょうどその頃、テレビのCMで輝く「ゴールドカード」の映像が目に入った。まるで「さあ、こっちの世界へおいで」と誘惑してくるようであった。
最初に手を出したのは楽天ゴールドカードである。理由は単純、年会費が安かったからだ。確か2000円程度だったと思う。財布に優しい。まさに「庶民派ゴールド」であった。楽天市場でポイントもたまり、日用品から冷蔵庫まで買えたので、実用的にも申し分なかった。
しかし、人間とは欲深い生き物である。最初は「年会費安いし十分」と思っていたのに、使い続けるうちに不満が芽生える。いわば「安い焼肉食べ放題」に満足していたのに、次第に「もう少し霜降りが食べたい」と思ってしまう心理である。
楽天ゴールドカードで気になり始めたのは、まず「ラウンジの利用制限」であった。1年あたりの空港ラウンジの利用回数が限られているのだ。ラウンジというのは、一度味わうと戻れない世界である。静かな空間、コーヒー飲み放題、Wi-Fi完備。まさに空港のオアシス。出張族にとっては、そこが戦場前の待機所であり、心の安らぎでもある。
もう一つの不満は「カードの“キラキラ感”」である。確かに「ゴールド」とは書いてあるが、実物を見てみると、なんというか少しくすぶった「金」なのである(見方によってはシックであるのだが)。テレビの通販番組で「純金風フォークセット」と紹介されているような、“風”であって“本物”ではない。そんな感じ。
そこで次に目をつけたのが、三井住友カードゴールドである。これが実に絶妙な落としどころだった。通常は年会費5500円ほどかかるが(2025/11/10現在)、年間100万円以上利用すれば永年無料になるという。つまり、一定の努力をすれば「実質タダでゴールドホルダー」になれる、夢のような制度である。
私はもともと三井住友銀行の口座を使っていたので、ある日メールで「あなたにおすすめのカードがあります」と勧誘が届いた。普段ならスルーするのだが、その時ばかりは「運命かもしれない」と思ってクリックし、申請した。最初はまるでRPGで新しい武器を手に入れた時のような高揚感を覚えた。これでラウンジの制限から解放される、と(実際は出張が減って使う機会が減ったのだが…)
それ以来、私は三井住友ゴールドカードをメインに使っている。空港ラウンジも使えるし、利用上限も余裕ができた。まさに「実利面を満足したカード」である。唯一の希望を挙げるなら、カードのデザインが少し控えめな点だろう。もっとこう、「もっとキラキラ感」が欲しい気もする。
今後も、よりキラキラ感のあるカードが現れたら、また乗り換えてしまうかもしれない。もはや私はカードのスペックだけでなく、“輝きの研究者”になりつつあるのだ。財布を開けるたびに、そこから黄金のオーラが放たれる――そんな日を夢見ながら、今日もまたゴールドカードでコーヒーを買っている。
参考情報
2025/10/15 日本経済新聞:ゴールドカード、脱・ステータス 利用の目当ては「ポイ活」(YOUTHFINANCE)

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