最高益をたたき出した企業たちの紹介記事である。
一見すると「どこも順風満帆でいいなあ」と思うが、よく読むとその裏に共通のキーワードが隠れている。それが「海外展開」である。国内の海ではもう魚が少なくなってきた。ならば思い切って外洋に出るしかない、というわけだ。4社とも、まるで新天地を求めて航海に出る探検家のように、積極的に海外市場へと舵を切っている。
例えば、ユアテックという会社。普段は東北地方の電気設備などを手がけているが、なんとベトナムの複合大型施設の電気工事を請け負い、それが見事に功を奏した。まさに「東北の職人魂、東南アジアで輝く」である。地球の裏側でも電気は必要、という当たり前の事実を見事にビジネスチャンスへ変えたのだ。現地で汗を流す作業員たちの姿を想像すると、どこか胸が熱くなる。電線一本にもグローバル経済の風が通っているのである。
考えてみれば、日本の市場は人口減少、少子高齢化、消費の鈍化と、三重苦状態である。いくら国内で頑張っても、ケーキそのものが小さくなっているのでは、いくら切り分け方を工夫しても腹いっぱいにはならない。となれば、ケーキを求めて国外に出るのは自然な流れである。むしろ、出ない方が不自然だ。
もちろん、海外展開にはリスクも多い。文化の違い、言葉の壁、予想外のトラブル――まるで異国のレストランでメニューを指さして注文したら、思いもよらぬ辛さの料理が出てくるようなものだ。しかし、それでもチャレンジしない限り、味を知ることはできない。たとえ涙を流しても、その経験は次の挑戦に生きる。ユアテックたちは、「辛口のつらさ」を味わったからこそ、成功した企業たちなのかもしれない。
この記事を読んで感じるのは、「失敗してもいいから外へ出よう」というシンプルだが力強いメッセージである。日本という島国は、どうしても内向きになりがちだ。しかし、時代は確実に外へ向かっている。これからの企業に必要なのは、完璧な計画よりも、まず一歩を踏み出す勇気ではないか。世界の舞台は広い。転んでも、その転び方が美しければ、次はもっと上手に走れる。そう思わせてくれる記事である。
参考情報
2025/11/08 日本経済新聞:「久しぶり最高益」企業の革新力

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