今年のインフルエンザは「早く、広く、長く」がキーワードらしい。
なんだか、まるで人気アーティストの全国ツアーのスローガンみたいである。「全国を駆け巡るインフルエンザツアー2025」——そんな冗談を言いたくなるほど、今年の流行はスピード感があるらしい。早く始まり、広く拡散し、長く続く。もはやインフルエンザも働き方改革とは無縁で、過労気味に活動しているようだ。
主流はA型とのこと。A型ってなんやねん、と思うが、どうやらインフル界にも派閥があるらしい。B型、C型、時には新種まで現れて、もはや“ウイルス総選挙”の様相である。A型は毎年センターを勝ち取る常連で、感染力と話題性で群を抜いている。もし流行語大賞がウイルス部門にもあったなら、間違いなくノミネートされているだろう。
ところで、何が流行るかってどうやってわかるのだろう?服や髪型ならトレンドセッターがいるとしても、ウイルス界には“プロデューサー”がいるわけでもない。WHOあたりが「今年はA型で行こう」と決めるわけもないし…。
とはいえ、流行に乗りたくないのがこの手のトレンド。ワクチンを打つべきか悩む季節がやってくる。打ったほうが良いのはわかっている。でも注射の痛みが脳裏に浮かぶ。あのチクッという感覚、あれはどうしてあんなに記憶に残るのだろう。子どもの頃に泣いたあの日の自分が、今も肩の奥で怯えている気がする。
予防という観点から別の話をすると、最近では「予防内服薬」なるものもあるらしい。つまり、まだ発症する前から先手を打つというもの。現代の医療はまるでRPGのように、「ワクチンで防御力アップ」「内服薬で耐性付与」みたいなことができる。ドラクエの「バイキルト」や「スクルト」を現実でやっているようなものだ。
思えば、人間社会はどんどん防御的になっている。マスク、手洗い、うがい、アルコール、ワクチン、内服薬。ここまで守りを固めたら、もはや人類は要塞である。外出するときは“城門を開ける”ような気持ちになる。それでも侵入してくるA型のしつこさときたら、まるでセールス電話のように粘り強い。
「早く、広く、長く」——これはまるでヒット曲の条件のようでもある。リズム的には某牛丼屋みたいな語感である。
もしかしたらインフルエンザは、人類史上最も長く愛され続けている“不本意な国民的ヒット”なのかもしれない。とはいえ、今年の冬はそのリバイバルが盛大に開催されるらしい。どうか、自分だけは招待されませんようにと祈るばかりである。
参考情報
PR TIMES:今年のインフルエンザの流行は“早く、広く、長く”がキーワードに。クリニックフォアが最新予測を発表。3つの“そなえ”とは


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