新聞記事から考える 9:AI搭載自動車と運転の未来

新聞記事から考える

 GM(ゼネラルモーターズ)がAI搭載の自動車を発売するらしい。

 AI搭載車と聞いて、最初は「ついに車が自分で運転する時代が来たか!」と胸を躍らせた。AIなら事故を予測したり、歩行者を自動で認識したり、まるで未来映画のような世界を想像してしまう。自動運転の先駆けになるのでは、と思ったのである。

 しかし、ふたを開けてみればどうやらそうではないらしい。実際にAIが使われているのは「音声認識」の部分だという。つまり、AIが車内で話を理解してくれるというわけだ。「車がしゃべる時代」の到来である。もしかすると「おはようございます、今日は少し眠そうですね」なんて声をかけてくれる日も近いのかもしれない。助手席にAI相棒が座るようなものである。

 とはいえ、冷静に考えると「それ、従来のカーナビでもできたのでは?」というツッコミも浮かぶ。行き先の検索やルート案内なら、昔からナビがこなしてきた仕事だ。AIを名乗るからには、もう一歩踏み込んだ賢さを見せてほしいところである。

 だが今回のAIは、単なる命令理解にとどまらず、「会話をしながら検索できる」という。つまり、「近くのガソリンスタンドを探して」と話しかければ、「右手にA社のスタンドがあります、左はB社です。どちらに行きますか?」と返してくれる(のかな?)。もはや車の中に秘書を雇ったようなものだ。ボタン操作も不要で、目線を逸らさずに済む。安全性と快適さを両立した、まさに“しゃべる車”である。

 当面は高級車に搭載されるようだが、いずれは庶民の車にもやってくるだろう。思えば、カーナビもかつては高嶺の花だった。今ではスマホにも標準装備されている。AI車も同じ運命をたどるに違いない。

 いつの日か、自分の車が「おかえりなさい、今日も一日お疲れさまでした」と話しかけてくれる。そんな未来を想像すると、まだAI相棒がいない今でも、なぜか運転席が少しだけ温かく感じられるのである。

参考情報
2025/10/23  日本経済新聞:GM、対話型AI搭載車 グーグル製使用、来年発売

コメント

タイトルとURLをコピーしました